つげ義春な気分になれる『川汲温泉明林荘』

【本記事は、筆者の都合上により写真はありません。】

こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、僕の思い描く温泉っつーと、つげ義春の漫画に出てくるよーなとこです。
ほれ、景観があって、営業してんだか定かじゃねー古びた雰囲気、そしてキャラの立った女将が居るとこです。
今じゃそーゆーとこは数少なくなりましたが、函館市にはまだ遺っております。今回紹介する川汲温泉明林荘ですね。

えー、函館市街に背を向けるように、湖のよーに噴火湾が存在するんですが、その名のとーり、沿岸にはいくつも温泉があります。
んで、川汲温泉もその一つで、渓流を挟んで二軒の温泉宿があります。まあ、このご時世、日帰り入浴のみですが。

川汲温泉は、傷ついた鶴がその水を飲んで体を癒したことから、湯治場として利用されるよーになったっつー言い伝えがあります。
んで、おもろいのが、ほぼ斜向かいにあるこの二軒の泉質が異なる点です。
明林荘はアルカリ性単純泉で、温度は低めでゆっくり浸かると体がよくほぐれます。
個人的に好きなんですが、亡父の一周忌のため帰省して以来、引っ越してからはまだ再訪しておりません。
何故か?

女将が僕ぁおろか、亡父とおふくろどん及びその兄弟のことを知っとるからです。

だから何?って感じですが、この名物女将に捕まると中々入浴できない。
そこはテキトーにあしらえばええんですが、身元が割れとる手前、ちょっとそれは気まずいというわけです。

意外と市外なんかから訪れるしとが多いよーなんで、行ったことがあるしとは知ってると思いますが、「撮影禁止」「入れ歯を浴槽で洗うな」といった注意書きと、話し好きの女将がエクストリームな雰囲気を醸し出しております。

美しい景観を眺めながら桟橋を渡り、入り口をガラっと。んー、ガキの頃から変わらぬ雰囲気。

「すんません、大人二人」
すると、女将が僕をまじまじと見つめ言いました。
「アンタ、どっから来たの?」
当時の僕ぁ長髪でパーマかけてましたから、観光客だと思ったんでしょー。
「東京から来たんだども、元々ここの人間だ」
「どこの家だい?」
僕が実家の屋号を告げると、女将はしっかり僕んちの家族構成も知っとりました。
「お父さん、亡くなったべさ?」
「んだ、今は家にオッカア一人に猫一匹だ」
と、女将がスパルタンな表情になりました。
「オッカア?」
なんだか、どっちが客かわからんよーなシュールなシチュエーションになり、女将はつづけました。
「アンタの母親って人は、若い頃ば知ってるけど、上品で控えめで、オッカアなんて呼ばれるような人でねえ!」
「ハハ、いや、まあ、すんません」
僕ぁ大人になり謝ることを覚えたのです。
「オ・カ・ア・サ・ンって言いなさい!」
300
<画像はイメージです。(映画『300』より。)>
「ひっ!」
し、しどい…謝ったのに、ここはスパルタ人の公衆浴場ですか?
かくして、僕ぁ女将に三十分ほど説教を食らったのでした。

やっとこ湯に浸かり、「いやー、内装も浴槽も昔と変わってねえなあ」とくつろいどりましたら、地元のおっちゃんに声をかけられました。
「婆さんにつかまったのが?知らねえふりしときゃいいんだ」
確かにですねえ、僕だって「うるせえババア!俺にだって耳はついてんだ。おとなしくしやがれ!」と言いたいとこでしたが、母方の叔父が明林荘の電気工事を請け負ってることが判明したり、ちょっと逃げるのは気がとがめたもんで。

さて、こういったいきさつがあった故、僕ぁ再訪しとらんのですが、風情があっていいお湯を楽しみたかったら、是非オススメしたい温泉施設ですね。
因みに風呂上がってからもしばらく女将に捕まりました。今時、中々できない経験ですね。これもまたスーパー銭湯じゃ味わえないもんとしときますか。

【施設情報】
川汲温泉明林荘

北海道函館市川汲町2097
0138-25-3303

営業時間:07:30~21:00(年中無休)
泉質:アルカリ性単純泉
アクセス:JR函館駅下車、徒歩で約半日。一日数本のバスなら約一時間。

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