Bedlam/Bedlam

1. Believe In You
2. Hot Lips
3. Sarah
4. Sweet Sister Mary
5. Seven Long Years
6. The Beast
7. Whisky And Wine
8. Looking Through Love’s Eyes
9. Putting On The Flesh
10. Set Me Free

【概要】
 1973年リリース。
コージー・パウエルが中心となった唯一のバンドのたった一枚のアルバム。
ギターに元プロコル・ハルムのデイヴ・ボール、プロデューサーとメイン・キーボディストにクリームも手がけたマウンテンのフェリックス・パパラルディという豪華な顔ぶれ。
皮肉なことに1998年、コージー・パウエルが交通事故により急逝したことにより、輸入盤CDが流通し、少なくとも日本ではやっと名作として広く知られるようになった。

【猪木とかけまして、コージーと解きます】
 どこがレビューだって感じですが、「アントニオ猪木とかけまして、コージー・パウエルと解きます」。
そのこころは?

捨てたものより大きなものを得たからでございます。

 プロレス・ファンの間では有名な逸話ですが、アントニオ猪木は日本プロレス時代は面長で長身のプロレスラーでした。
しかし、顎が徐々に前に出てきまして、医師に矯正するか相談したそうです。
ところが、その医師は「いやいや、その顎は貴方のトレードマークになります。そのままにしておきなさい」といったアドバイスをしたそうです。
顎は衝撃を受けると脳しんとうを起こしますから、プロレスラーにとっては悩んだはずです。
結果、医師のアドバイスどおり、アントニオ猪木の人気が頂点に達したのは顎が目立ちはじめてからでした。

 コージー・パウエルも同様。
多くのロック・ファン、特にハードロックやヘヴィメタルが好きな人が、バンドのラインナップに彼の名を見つけると、大方どんなサウンドなのかイメージできてしまいます。
それどころか、「コージー・パウエルが叩いているから」という理由で購入するファンさえいます。
僕が所有しているマイケル・シェンカーのアナログEPに、コージー・パウエル加入直後のライブが収録されています。この売り文句が凄い。

「コージー・パウエル入り!」

なんだよ、限定お菓子じゃないんだから。
しかし、彼とて元々ストロング・スタイルなドラマーじゃなかったわけです。
ジェフ・ベック・グループでデビューした当時は、オールラウンド的なドラムを聴かせてくれます。
そうです。彼はそれまで培ってきたであろうスタイルを捨てて唯一無二の存在になったというわけですね。

【本作がターニング・ポイント】
 僕のような後追い世代は、彼が知名度を上げたレインボーでのイメージが強く、ジェフ・ベック・グループを聴いたときは「別人?」と思ったものです。
なので、どこでストロング・スタイルになったのか不思議だった記憶があります。
この謎を解いてくれたのが本作ですね。
今でもイギリス映画のBGMでたまに流れるシングル・ヒットしたDance With The DevilやThe Man In Blackでもその片鱗はうかがえますが。
ただし、ブーツのヒールを高くしてドカドカとツインバスドラムを踏んだり、居抜きのようなストロークはやはりレインボー加入後からでしょうが。

【あくまでバンド作品です】
 いくらコージー・パウエルが中心になって結成したバンドとはいえ、バンド名義ですから、楽曲に注目したいところです。
個人的には非常にバラエティ豊かな作品に仕上がっていると思いますね。
発表当時の邦題が『狂人どもの舞踏会』だったらしいですし、ジャケットからも徹頭徹尾ハードな曲を想像しちゃうと思いますが、バラードあり、インストあり、と各メンバーの魅力も際だたせる楽曲が揃っています。
まあ、どうしてもSet Me Freeのような曲に「おお、きたよ!」と歓喜するのは仕方ないですね。

 因みに、長らくブートレッグで出回っていたベドラムのライブ盤が近年CD化されました。
それを聴くと、とても優れたバンドだったことがわかります。というか、ライブはちょっとヤバイですね。バンド名通り「騒乱」といった具合です。

【結びついでに余談】
 プロレス・ファンが全員アントニオ猪木のスタイルが好きかといえば違うわけで、それはコージー・パウエルにも言えます。何事も個性的すぎると好き嫌いが別れがちです。
しかし、そんな人にもオススメできる1970年代ハードロックの名盤だと思います。

 さて余談です。ホワイトスネイクの『ライブ・アット・ドニントン1983』(未DVD化)なんですが、当時はカットされたドラム・ソロも収録してDVD化してくれませんかね。
ドラムが変わって曲の印象が変わるのはよくあることですが、アレンジまで変わっちゃうっていう、中々観られないステージでしたから。 

<参考までに>


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